コンドラチエフ・サイクル(その他表記)Kondrat'ev cycles

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

コンドラチエフ・サイクル
Kondrat'ev cycles

ソ連の経済学者 N. D.コンドラチエフが 1920年代にイギリス,アメリカ,ドイツ,イタリアの卸売物価指数利子率,生産量などの乗数から検出した約 50年の周期をもつ経済の長期循環。その例として,第1回目は 18世紀末から 19世紀なかばまでの期間の産業革命とその後の低迷期,第2回目は 19世紀なかばから 19世紀末までの鉄道・鉄鋼業発達とその後の反動期,第3回目は 19世紀末から 1930年代の不況期にいたる電力・化学・自動車工業を中心とする景気拡大とその終了であると指摘した。そしてこの循環の発生原因として,鉄道,大工場など巨額な資金と長期の建設期間を要する資本財摩損置換の集中性をあげた。これに対し J. A.シュンペーターは,技術革新と投資の増大,技術枯渇による投資の減退に原因を求め,理論的説明を加えた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android